新設:2010-11-22
更新:2019-09-23
峨眉山月の歌
李 白
峨眉山月 半輪の秋
影は 平羌江水に入って流る
夜清渓を発して 三峡に向こう
君を思えども 見えず渝州を下る

【通釈】
峨眉山に、半輪の月がかかっている。その月の光は、平羌の江水を明るく映し出し、水は静かに流れてゆく。私はこの夜清渓を出発して三峡に向かったのであったが、ここに来てはじめて月を見ることができたのである。このあたり、山がつらなり特別の時刻でなければ、太陽や月の見えないところというが、舟が下るにつれて、やがて半輪の月も隠れてしまって、そのまま空しく渝州を通り過ぎたのであった。
【出所】
普及版吟詠教本 漢詩篇(一)96頁
【参考】
「蛾眉山下橋杭に題す」:良寛が 唐土「峨眉山」と李白「峨眉山月の歌」を思って詠んだ漢詩
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吟者:荒川岳深