新設:2010-07-07
更新:2017-11-01
早に白帝城を発す
李 白
朝に辞す白帝彩雲の間
千里の江陵一日に還る
両岸の猿声啼いて住まざるに
軽舟已に過ぐ万重の山
【通釈】
朝早く、朝焼け雲が美しくたなびいている頃に、白帝城を出発して急流を下ると、千里のかなたの江陵まで、わずか一日で還り着いてしまった。両岸の猿の啼く声は絶え間なく続いているが、私の乗っている軽い小舟は早くも幾重にもかさなる山々の間を通り過ぎていたのである。
【出所】
普及版吟詠教本 漢詩篇(二)136頁
画:榊原郁夫
画:榊原郁夫