友を想う詩 渡し場
友を想う詩 渡し場
語 釈
新設:2012-10-28
更新:2017-11--01
詩題 渡し場 「渡しの上で」、「渡し舟の上で」、「渡し」、「渡し舟」などと、すべきであったとの見方があります
第1連 1行目 この川 「ウーラントが生まれ育ったチュービンゲンなどを流れるネッカー川
第1連 3行目 岸の城 「ネッカー川沿いに建つ古城」 (ネッカー川沿いには古城が沢山ある)
第2連 1行目 小舟 「手こぎの舟」
ウーラントが生きた時代(1787~1862)のネッカー川は木材など物資運搬や人の往来に使われていたようで、詩の中の3人がネッカー川のある地点を舟で対岸に渡ったのか、ネッカー川沿いのある町から他の町への移動のために(例えば、チュービンゲンからハイデルベルクまで)舟に乗ったのかは不明
第2連 2行目
   ~4行目
二人の友 1976年4月のドイチェ・ヴェレの日本語放送「音楽マガジン」によると
父親のような友 母親方の伯父で、1813年に亡くなった牧師のクリスチャン・エバー・ハルトホーザー
情熱に燃える若い友 幼友達のフリードリッヒ・ハルプトレヒトであったとしながら、作品の内容が実際に起こったことに基づいているのかどうかは不明としています
第2連 3行目 おもわ 「面輪」で「前から見た顔つき」
第4連 1行目 文語体共訳者の一人である小出健が、[倖]は「こころ」が通い合う喜びで、しあわせを感じる意味、として使ったが、印刷時に[幸]に代ってしまった、と語っていること、また、文語体訳詩であって、かつ昭和31年(1956)の作であるので、ここでは[倖]を採った。
なお、蒲田正・米山寅太郎著「新版 漢語林 第2版」大修館書店刊」では、次のとおり説明されている。
[幸]に[人]を付し、思いがけないしあわせの意味を表す。現代表記では、[倖]を[幸]に書きかえる。
第4連 1行目 そのかみ 「その昔/往時」
第5連 1行目 さあれ 「そうではあるが/ともかくも」
第5連 1行目 友垣 「友、友だち」
第5連 1行目 結(ゆ)うすべは 「結んでいる方法(手段)は」
第5連 4行目 きづな 「絆/断ちにくい愛情、離れにくいつながり」(口語体では、きずな)
第5連 4行目 解(と)けめやも 「解けるであろうか、いや、そんなことはない」